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学部1年次後期という早い段階から“本物”の研究に取り組んできた3年次の学生たちが、2024年5月29日(水)に研究成果をポスター形式で発表、会場は熱気と輝きを放っていました。「麻布出る杭プログラム」の立役者である菊水健史教授(獣医学部動物応用科学科)は、次は海外を舞台に挑戦できる機会を増やしていきたいと、熱い想いを語っていました。
同プロジェクトへの参加を希望する学生は、単位修得に関係なく「やりたい」「知りたい」という純粋な気持ちで応募してきます。そんな主体的で知的好奇心の塊である“出る杭”たちは、研究者でもある大学教員にとって、共に研究し、新しい知見を増やし、喜び合える教え子(仲間)として何より嬉しい存在です。
このポスター発表会では、「どんどん聞きに来てください」と言わんばかりのアプローチ、それに群がる研究好きな学生と教員、そして質問に嬉しそうに答える発表者。純粋な研究好き同士が集まっているので、どこも輝きに満ちており、ライブ会場級の熱気に溢れていました。
とはいえ、学生にとっては忙しい通常授業の合間に研究を行うので、負担は大きかったのではないか。そんな心配を他所に、誰一人、苦痛だったと答えた人はいませんでした。それどころか、発表を終えたという達成感よりも、「もっとやりたい」という輝きの方が強く感じられました。
「好きこそ物の上手なれ」のとおり、人は好きなものに対してのめり込みやすいものです。研究とはいわば答えのない課題に対するチャレンジで、うまくいかないことの方が多いものですが、同プロジェクトの参加学生は“好き”だから四苦八苦してもゴールを目指せる。そのくじけない心と、研究という複数の仲間と共に協力し合う共同作業の中でリーダーシップを身に付けられる。やる気のある学生の成長を促すのに、これ以上の教育環境はありません。
指導を担当した教員たちも口を揃えて、「参加学生の探究心の強さ、研究分野に対する興味の持ち方が群を抜いて素晴らしい。ここまで自発的にチャレンジして研究に取り組めるとは。」と喜びを隠せないようでした。
菊水健史教授は、次のように語ります。
優秀な学生は、ほっといても伸びていきます。そのような学生に同プロジェクトへの参加を提供すると、成長スピードは更に加速し、学部卒業時には修士課程ぐらいのデータや思考が育ってきます。やはり自発的な目的意識が高いので、科学的な手法を学ぶ姿勢、データから言えることの価値等をとてもスムーズに習得していきます。将来、サイエンスリテラシーだけでなく、協同性や学び続ける姿勢等、社会人として最も求められるような特性も高いと感じています。
当初は大学生を対象として始めたプロジェクトでしたが、現在、これを起点に高大接続につなげています。高校生も同じように、自分で「不思議」や「課題」を見つけ、解決に向けたアプローチを考え、チャレンジできる。今まで高校生活ではできなかった体験だと思います。このような教育理念と一致した高校と教育接続して、その取り組みが広がり続けていることは、想像以上の効果だと思います。
昨年から海外チャレンジプログラムを開始し、4人の学生が海外で自分の研究をぶつけ、議論してきました。このような機会を増やし、自分のチャレンジを研究室、更には日本という殻を破り、積極的に世界に向けてチャレンジしていってほしいと願っています。
本学には、学年に関係なく、学生の学びの「好き」を受け入れてくれる仲間、教員がいます。その「好き」を「力」に変えてくれる環境があります。これからの社会を担う大切な学生が新しい価値を見出せるように、これからも「麻布出る杭」は進化し続けます。
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