青木卓磨(小動物外科)、藤井洋子(小動物外科)、永澤美保(動応介在)、菊水健史(動応介在)
研究の背景
獣医臨床場面において、動物の運動機能や活性、睡眠状態は、その疾患のグレードや回復状態の指標となる。
- 日常的に飼い主さんからの報告を受けることは難しく、正確な把握が困難
- ビーコン型の加速度センサを用いて、動物の状態を連続的かつリアルタイムにモニタすることが望まれる。
- 動物のQOL改善を介した、飼い主さんのQOL改善には社会的意義も高い。
- 今回、いくつかの疾患を対象に、ビーコン型加速度センサのデータを取得し、疾患グレードや治療プロセスでの変化を解析し、その有用性を検証する。
アプローチ
- 小型ビーコンをイヌやネコに装着
- スマートフォンアプリを介してクラウドサーバに転送
- データの解析
- 将来的にはAIを用いた自動判別
- 獣医師ならびに飼い主さんへのリアルタイムフィードバック(将来)
期待される結果
- 飼い主さんに依存していた動物の症状の客観的把握
- 飼い主さんが見ることができない、深夜などの状況の把握
- 睡眠状態の把握
- 運動機能の客観的把握
- リアルタイムでの獣医師へのデータ可視化
- 飼い主さんに対しての適切な情報の提供
現状とこれから
これまでの成果
- 健常のイヌの生活における規則的パターンの取得
- AIアルゴリズムによる、睡眠状態から覚醒、運動に至る分類に成功
- 飼い主さんとイヌの生活リズムの同調の検出
- 飼い主さんとイヌの歩行の同調の検出
- 疾患の状態変化と運動機能の変化の解析の試み
これから
- 疾患を持つ動物の加速度センサ解析
- 疾患の程度、回復状態とセンサデータの相関解析
- 飼い主さん、獣医師へのデータの可視化、GUIの開発
求める学生像
やる気があり,動物に興味があって,動物と人との関係性の向上にも貢献したい学生