味覚プロジェクト2021~あじぷろ~

澤野祥子(食品科学)、良永裕子(食品分析化学)、齊藤千佳(食品分析化学)、水野谷航(食品科学)

研究の背景

色彩が三原色で表されるように、味覚も塩味、酸味、甘味、苦味、うま味の五つの基本味から構成されます。これらの味質は舌に存在する味細胞で受容され、味神経を通じて味情報が伝えられ、最終的に脳で情報の統合が行われます。我々人間をはじめとして動物が、甘いものを「甘い」、苦いものを「苦い」と感じることができるのは、食品中に相応の量の味成分が存在し、その味成分の情報を末梢の味細胞から味神経、中枢に至るまでの各段階で正確に伝達しているからだと考えられます。

アプローチ

本プロジェクトでは、味を呈する「食品」、味を受容する「味細胞」の両面から味覚研究を進めます。本年度は以下のプロジェクトの実施を予定しています。(実際に取り組むのはどれか一つになります)

  1. 食肉の脂身に含まれるうま味成分の解析
  2. 味細胞を活性化させる新規呈味性成分の検討
  3. 味蕾オルガノイドを用いた味応答解析

期待される結果

脂身にもヒトが認識できるレベルの水溶性の呈味物質が存在し、うま味、甘味を呈することが明らかになれば、うま味に優れる脂身を有する食肉の生産技術や品種開発にも応用が可能となると期待されます。また、味細胞あるいは味蕾オルガノイドの応答を解析することにより、新規呈味性成分がどのような味として認識されているかが分類できます。

現状とこれから

本研究は新規研究であり、2021年度から「食肉の脂身に含まれるうま味成分の解析」の研究に教員が着手し始めた状況です。今後「食品」「味細胞」を対象としたアプローチに加えて、「味神経レベル」「個体レベル」でも味を感じるしくみ(メカニズム)を明らかにしていきたいと考えています。

募集について

募集人数:1~2名
求める学生像: 正直でコミュニケーション能力がある学生。研究に意欲を持って粘り強く取り組める学生。

研究詳細PDF
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