酵母発酵飼料給与豚の発育及び肉質に関する研究

新井佐知子(産業動物内科学)、伊藤潤哉(動物繁殖学)、水野谷航(食品科学)、竹田志郎(食品科学)

研究の背景

パンやワインなどに用いられる酵母菌で発酵させたエサを豚に与えると、豚は健康に育ち、またお肉は酵母菌の良い香りがして美味しくなる、と食肉関係者から高い評判が得られています。しかしそれを具体的に示したデータは存在しません。

このプロジェクトでは、酵母発酵飼料を食べた豚の発育性や健康、肉質などを様々な視点から検証し、酵母菌で育った豚は本当に健康で美味しくなるのか?を解明します。

アプローチ

  1. 発育性と血液性状の検査
    相模原市の相原高校で飼育されている酵母菌飼料を与えた豚の体重測定、採血や採糞を行い、血液検査や体重の変化を見ながら酵母発酵飼料給与豚の発育性を検証します。酵母菌飼料を与えていない豚の血液や発育と比較し、酵母が身体にどのような影響を与えるかを分析します。
  2. 肉質に関する検査
    出荷された酵母発酵飼料給与豚の肉の硬さや味、成分などを分析し、通常の豚肉とどう違うのか?なぜ美味しいと言われるのか?を検証します。

期待される結果

高校生が育てた豚を大学が科学的に分析します。高校とのコラボレーションの研究は本プロジェクトが初めてです。高校生と一緒に美味しい豚をつくってみませんか?この研究で、酵母発酵飼料を食べた豚は健康で美味しいことが証明されれば、将来的に麻布大学発の新しいブランド豚が誕生するかも?

美味しいお肉をとことん研究しましょう!

現状とこれから

酵母発酵飼料給与豚が実際に食卓に載るかはまだ未知数ですが、将来的には食肉業者とも連携して、相模原市内での販売およびマーケティング、酵母発酵飼料給与豚が消費者受けするターゲット(若者層?老齢層?家族層?など)の分析なども行う予定です。ここでは、まずその土台となるデータの収集および分析や考察がメインとなります。

豚が健康に育って、美味しいお肉として出荷されるまでを追いながら、データを分析します。いつもの大学の授業や実習では味わえない研究です。

研究詳細PDF
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